こんにちは。
今月は4~6月に放映していた「ブルーアーカイブ The Animation」について思うところがあったので、よかったところと悪かったところを書きます。
よかったところ
花守ゆみりさんの演技が聞けたところ
ホシノは花守ゆみりさんが演じているキャラで、のほほんとした子です。
なので、アプリではのほほんとした喋り方のボイスのみだったんですが、今回アニメ化された対策委員会編では当然シリアスなシーンもあり、その部分までフルボイスになるとこれまで聞けなかった部分の演技も聞けるんだ、というワクワクがありました。
もちろんこれは他の生徒であるシロコやノノミもそうなのですが、最も闇が深いのがホシノであることも分かっていたので、おのずとここに注目が集まります。
結論から言うと、花守ゆみりさんで本当に良かったと思いました。
ホシノがキレるシーンの演技や心が折れているところの演技はホシノというキャラの理解度をぐっと増してくれました。やっぱ壊れてるんだな、ホシノ。
オープニング
無限回言われていることですが、OPの映像があまりに完成され切っている。
作画がいい。銃を乱射しながらカメラワークがぐるんぐるん動いたり、シロコが飛び降りてアクロバティックな動きをしていたり、躍動感がすごい。
意味深なカットが多い。原作ファン向けであるが、「そこも映すんだ!」というカットが挟まれ、しかもフレーム的には2コマとかのレベルだから隠しカット感があってワクワクする。
音楽がいい。僕の好みではあるが、BPMが早くヴァイオリンが使われているところに青春を想起させて爽やかになっている。
キャラの出し方がいい。ユウカを始めとするチュートリアル組、対になって出てくるティーパーティーのナギサとミカ、威厳を持って現れる風紀委員会など、全員がかっこよく、あるいはかわいく見せられるような演出になっている。
というわけで、アニメ化の最大の功績はこのOP映像が作られたことかな、というのが僕の所感です。
見えないシーンの補完
原作がある作品のアニメ化のほぼすべてで言われることですが、やっぱりここはあると思います。
例えば、ホシノの退学届けが見つかるシーンはアプリだとホシノとシロコがもめてるところに先生とノノミが出くわすという感じだったが、アニメでは度重なるホシノの謎行動に疑問を持ったシロコが追求から無理やり逃げようとするホシノの手をつかんだ時にたまたま鞄が落ちて判明した、というように説得力が出ていて、「そういう流れね!」と納得させられるところがありました。
ここも純粋にストーリーの解像度が上がる良い点だったと思います。
悪かったところ
戦闘シーン
1話でヘルメット団と交戦しているとき、生徒たちの連携がボロボロだったのはまあいいとして、じゃあ先生が指揮することで戦況がよくなる…という流れは先生というキャラクターの必要性を示すために不可欠だったと思います。
だけどさあ、もうちょっと人外な指揮でもよかったんじゃないすかね。
例えば僕が最初に想像していたのは、黒バスの高尾のホーク・アイみたく、戦況を俯瞰的に眺める能力がある、みたいなイメージ。そう。能力でよくないか?
生徒個人個人には相当の能力があって、だけど連携or戦術面では未熟だから、そこを先生が補完する、というのが役割だと思ってたんですけどね。能力が無くてもせっかくシッテムの箱なんて便利アイテムがあるんだから、あの箱で最適解を計算することができた、とかでもいいじゃないか。
あれだと指揮自体が陳腐な先生のイメージも下がるし、生徒もあれしきのことができないということになってしまうので本当にいただけなかった。
そして何より生身で戦地にいすぎ。せめて遮蔽に隠れ続けていてくれよ。いざって時に守ってくれるアロナがバカみたいじゃんか。
風紀委員会と最初に出会うときアコがホログラムで出て来たけど、あれでよかったじゃないか。
イオリと過去ホシノの戦闘シーンだけはよかったと思ってます。それ以外は並以下。
もやる原作補完
良かった点で原作補完による理解度の深化について話したけど、よかった補完はかなり稀少で、個人的には不要な補完のほうが多かったと感じる。
例えば、黒服と先生が対峙するシーンで、先生がなぜ黒服の居場所を知っていたのかについて、アニメでは黒服から謎の招待状が届くことで補完されていた。
…いやいやいや、これまでホシノが1人で行動して後悔してたのを散々映しておいてそれ!?
どちらかというとアプリでは先生が黒服に宣戦布告しに殴りこんでいた(それもそれでどうなの)ように見えていたので、そこを自然な形にするのが脚本家の役目でしょ、と思わずにはいられませんでした。
他にも、ホシノ奪還に向けてトリニティやゲヘナに協力要請をする際も、アプリ版では先生が単身ゲヘナに向かったくらいで済んでいたのに、なぜかアニメ版では対策委員会を引き連れて回っていたせいで冗長になってしまい緊迫感が欠けたり。
最終話で本来風紀委員会(特にアコ)が敵対しているはずの便利屋68やトリニティのヒフミと普通に会話していたり。
まったくもってもやる部分が本当に多かった、というのが本音です。
ダサいBGM、ダサい演出
上で脚本が~と言っているけど、正直僕はアコが便利屋68&ヒフミとしゃべってたとこ以外は目をつむってもいいと思っています。
真に失望したのは、主に演出面です。
僕は音楽やBGMそのものが陳腐とは全く思っていませんが、各シーン(主に戦闘シーン)の選曲はどうにかならなかったのかと思います。
11話でホシノがさらわれ、カイザー理事と戦う際のBGMは、本来はもっとシリアスで重め、もしくは緊迫感のあるBGMであるべきだと思っていました。が、実際にはどこか明るく希望でいっぱい!みたいな音楽が流れてて、そんなわけあるかよと天を仰いでしまいました。
また、戦闘中にシロコの吐息のみが聞こえるシーンがあったり、別の回で便利屋が突然全員で決めポーズしたりしてたシーンもありましたが、はっきり言っていらない。演出が恥ずかしい、あるいはズレている。
僕はアニメに関しては結構雑食めいたところがあると思っていますが、それでも許せなかったアニメは本当に数えるほどしかないので、久々に頭に来たなあ…と逆に感心すらしたほどです。
先生の存在
ここは難しいところですが…
上記でも少し触れていますが、対策委員会編の先生はキヴォトスに着任したばかりでまだ未熟…ということを前提知識としてもっておいてなお、アニメの先生は頼りない部分だらけでした。
せめてその前提知識くらいは言っておいてほしいし、普段はアワアワしてて肝心な時にしっかりする、みたいな描写があればよかったんですが…
百歩譲って未熟な行動はしょうがないとして、なのになぜか堂々としているのは本当に見ていて痛々しかった(最初のアロナへの挨拶など)。三枚目、もしくは二枚目半であってくれればよかったのに、下手に二枚目で通しているのが反感を買う。
ここまで言っておきながらそれでも僕はこの先生の存在が本当に嫌いというわけではない(許せる範囲)ですが、でも先生を演じてくれた坂田さんには申し訳ないな…という気持ちをずっと持っています。何様やねんと言われればそうだけど。
一部生徒の優遇
これは、本来対策委員会編にもチュートリアルにも出ていないのにアニメに出てきたモモミドやノア、補習授業部やOPのミカについての話ではないです。
こじつけなのかもしれませんが、イオリだけなんか戦闘面の描写が優遇されてない?
僕はイオリの事相当好きなので、なぜかイオリの戦闘シーンだけよく動いていて戦術が感じられるのは嬉しくはあるんですが、なぜそれを他の生徒の戦闘シーンに適用できなかった?と疑問に感じます。
また、ナギサについてもセリフが増えていて、なのに愛が云々~という本人にとっては黒歴史になりかねないセリフが消えているのも少し気がかりでした。ここは気にしすぎかもですが。
そして、ヒナの初登場シーンがあまりにあっさりしている。本来はアコの言い訳をすべて見透かしたうえで荘厳に登場する風紀委員会のボスらしい風格があったのに、なぜか唐突に現れた子になってしまい、しかもホシノが来てから帰るまでの一連の流れが減っていたせいですぐ帰ってしまいヒナの持つ魅力が損なわれてしまったと感じます。
というわけで、大きな意見はこんな感じかな。
個人的な評価では10段階評価なら2くらいに収まった極めて珍しい作品です。
というわけで、最後に言いたいこと。
頼むからアニメ2期はやらないかスタッフを入れ替えて下さい。
そして、これからブルアカに興味を持つ人はアニメを見ずにアプリに直行してください。